ボトックス注射について

ボトックス注射の特徴

ボトックス注射とは、ボツリヌストキシンを注入して筋肉の動きを緩める施術です。
過剰に筋肉が動くことで発生する表情じわ、食いしばりによるエラ張りや顎関節症の痛みなどを改善することができます。

また、わきや手足に注入することで汗の量を少なくする効果もあり、多汗症（ワキガ）の改善にも使用されています。
ボツリヌストキシンを注入する部位によってさまざまな効果を発揮できるため、

・表情じわを目立たなくしたい
・ほうれい線をなんとかしたい
・ガミースマイルを改善したい
・多汗症に悩んでいる
・フェイスラインをスッキリさせて小顔になりたい　など

このようなお悩みを持つ方に、美容外科や歯科で広く応用されています。

当院で採用しているボツリヌストキシン製剤は、「リズトックス100ユニット」です。
KFDA（韓国食品医薬品安全庁）で医薬承認を受けており、効果と安全性が認められているボツリヌストキシン製剤です。
副作用のリスクが低く、ボトックス注射の効果が比較的早く現れるので世界的に使用されています。

歯医者でのボトックス注射

「ボトックス注射は美容クリニックで受けるもの」というイメージをする方が多いかもしれませんが、実は歯科でも受けることができます。
歯医者と美容クリニックのボトックス注射の違いは、注射部位・ボトックス注射の目的・医療費控除申請の可否です。

・注射部位

歯医者では、口まわりの筋肉（咬筋、側頭筋、オトガイ筋、口輪筋など）にボトックスを注射します。
一方、美容クリニックでは全顔、わき、手足などにボトックスを注射します。

・ボトックス注射の目的

歯医者では口まわりのシワやほうれい線の改善といった美容に加えて、歯ぎしりや食いしばりの緩和、顎関節症の改善などの治療を目的としてボトックス注射を行います。
美容クリニックは、基本的に若返りやコンプレックス解消などの美容が目的です。

・医療費控除申請の可否

歯医者、美容クリニックでの美容を目的としたボトックス注射は、保険適用外で医療費控除の対象にもなりません。
しかし、歯ぎしりや食いしばりの治療を目的とした歯医者でのボトックス注射なら、医療費控除の対象となります。

ボトックス注射の
効果・持続時間

代表的な効果

歯医者でのボトックス注射は、口まわりの筋肉の過度な動きや緊張を和らげることで、さまざまな効果を発揮します。

・歯ぎしり・食いしばりの緩和

頬にある咬筋にボトックス注射を行い、噛む力を弱くすることで歯ぎしりや食いしばりを緩和します。
歯ぎしりや食いしばりが原因で咬筋が大きくなりエラが張っている方は、ボトックス注射をすることで咬筋が痩せるため、小顔効果も期待できます。

・顎関節症の改善

顎関節症とは、顎の関節に痛みが出たり、口の閉じ開きに支障が出たりする症状です。
原因はさまざまですが、歯ぎしりや食いしばりでも発症することがあります。
このような場合は、ボトックス注射で歯ぎしりや食いしばりを緩和することで顎関節症を改善できる可能性があります。

・口まわりのシワ改善

顔を動かしたときにできる口まわりのシワやほうれい線、筋肉の緊張による顎の先のシワ（梅干しジワ）を改善できます。

・歯ぎしりによる歯周病の緩和

歯ぎしりが原因で歯を支える骨や歯茎がダメージを受けて歯周病になったり、歯周病が悪化したりすることがあります。
歯周病の原因に歯ぎしりによるダメージがある場合は、ボトックス注射で歯周病の進行を予防・緩和ができます。

・側頭筋の緩和

歯ぎしりや食いしばりをするときに側頭筋にも過度な力がかかっている場合は、ボトックス注射が有効です。

・ガミースマイルの改善

上唇を引き上げる力が強すぎてガミースマイルになることがあります。
この場合は、上唇を引き上げる筋肉にボトックス注射をし、ガミースマイルを改善できます。

持続時間

ボトックス注射の効果は、約3〜6ヶ月ほどです。
治療後3、4日から効果を実感できることが多いので、比較的即効性があります。

ボトックス注射の効果は永久的ではありませんが、定期的に受けることで持続時間が長くなる傾向があります。
そのため、状態を見ながら必要なタイミングで再度ボトックス注射を受けるのが望ましいです。

おすすめは、当院で定期的にお口のメンテナンスを受けていただき、必要なタイミングでスポット的にボトックス注射を取り入れていただくことです。
ボトックス注射の効果が薄れて、患者さまが必要だと感じるタイミングでご相談いただくのもよいですが、定期的なメンテナンスと組み合わせることでお口の健康と美しさをキープしやすくなります。

ヒアルロン酸注射との
対応部位の違い

ボトックス注射の対応部位

ボトックス注射は、基本的に顔を動かしたときにシワができる部位、筋肉が過度に発達している部位に行います。

・ボトックスの注射部位①：顎、エラ

「顎の先の梅干しジワ」「エラの張り」が気になる場合は、顎やエラにボトックス注射を行います。
歯ぎしりや食いしばりによって筋肉が肥大してエラが張っていたり、歯並びや口の筋力の問題で顎の先に過度に力が入ってシワができたりしている場合に有効です。

・ボトックスの注射部位②：唇

唇を引き上げる筋肉が原因で「ガミースマイル」になっている場合は、上唇にボトックス注射を行う場合があります。

ヒアルロン酸注射の対応部位

ヒアルロン酸注射は、顔を動かさなくてもシワができている部位、張りやボリュームを出したい部位に行います。
筋肉の力や肥大を抑えるボトックス注射とは違い、ヒアルロン酸注射は必要なところに張りやボリュームを付け足してシワを伸ばしたり、自然にお顔の印象を変えたりできるのが特徴です。

筋肉の過度な動きが原因でできたシワには、ボトックス注射とヒアルロン酸注射をかけ合わせた施術もおすすめです。
ボトックス注射で筋肉の動きを抑えつつ、できてしまったシワをヒアルロン酸で伸ばすことができるので、より高い効果が期待できます。
ボトックス注射と同じく永久的ではないので、ヒアルロン酸注射も定期的に行うといいでしょう。

・ヒアルロン酸の注射部位①：頬、口まわり

「ほうれい線」「ゴルゴライン」が気になる場合は、ヒアルロン酸注射で皮膚の張りを補うことで改善します。

・ヒアルロン酸の注射部位②：唇、顎

唇のボリュームを大きくしてグラマラスな印象にしたい、顎の先に高さを出してEラインを整えたいという場合は、唇や顎にヒアルロン酸を注射します。

ボトックス注射の
メリット・デメリット

メリット

・比較的即効性がある

術後3〜4日ほどで効果がでるため、比較的即効性が高い施術です。

・ダウンタイムが短い

ボトックス注射のダウンタイムは2〜3日、長くても1〜2週間ほどです。
ダウンタイムが非常に短いので、手軽に行うことができます。
施術跡も注射針の小さいため目立ちにくく、時間の経過とともに消失します。

・身体の負担が少ない

ボツリヌストキシンを注入するだけなので、手術が必要な施術と比べて圧倒的に身体への負担が少ないです。
施術も10〜15分ほどで完了するため、入院する手間もありません。

・やり直しができる

ボトックス注射の効果は3〜6ヶ月ほどです。
効果が切れると術前の状態に戻るので、仕上がりに納得できない場合は一定の時間を空ければやり直すことができます。

デメリット

・定期的な施術が必要

ボトックス注射の効果は永久的ではありません。
定期的に施術すると持続時間は長くなる傾向がありますが、基本的には効果が切れたころに再度行う必要があります。

・術後に一時的な避妊が必要

ボトックス注射は、術後に女性2ヶ月、男性3ヶ月避妊が必要な期間があります。
施術による流産、奇形児のリスクが0％だと言い切れないからです。

・妊娠中・授乳中は施術できない

胎児・乳児へのボトックス注射の安全性が確認できていないため、妊娠中や授乳中は施術できません。

・副作用が一時的に出る

術後1週間ほど施術部位が腫れる、内出血が起こる、痛みが出るなど、一時的に副作用が出る場合があります。
また、施術部位の筋肉の力が弱くなるので、慣れるまでは食事の際に違和感が出る場合があります。

ボトックス注射の
副作用

ボトックス注射にはいくつかの副作用があります。
当院では施術の前にきちんとご説明させていただきますが、気になることがありましたらお知らせください。

・施術中に軽く痛みを感じる

ボトックスを注入する際に採血や予防接種と同程度の痛みがあります。

・注射針による内出血

ボトックスを注入した部位に内出血が起こる可能性があります。
長くても1〜2週間ほどで消失しますが、内出血が気になる場合はコンシーラーなどでカバーしてお過ごしください。

・治療後に歯を食いしばると
効果が半減する

治療後に食いしばると、ボトックス注射で弱くなった筋肉が鍛えられてしまい、効果が半減する可能性があります。

・表情が不自然になる可能性がある

表情筋の力を弱くするため、筋肉の動きが鈍くなって表情がこわばったようになる場合があります。

・噛む力が弱くなったと感じる

噛むときに使う筋肉の過剰な動きを弱くするため、慣れるまでは術前よりも噛む力が弱くなったと感じる場合があります。

よくある質問

Ｑ1. ボトックス注射は安全ですか？
Ａ. ボトックス注射に含まれるボツリヌストキシンは、人体に影響のない濃度に調整されているため安全性に問題はありません。
また、当院で使用している「リズトックス100ユニット」はKFDA（韓国食品医薬品安全庁）で医薬承認を受けており、安全性が認められています。

Ｑ2. 1回のボトックス注射で
効果はありますか？
Ａ. 施術部位や筋肉の状態によりますが、1回でも効果を実感できることが多いです。
ただし、ボトックス注射は根本治療ではないため、効果は永久的ではありません。
術後の状態を維持するためには、定期的な施術が必要です。

Ｑ3. ボトックス注射を受けた後、
やってはいけないことはありますか？
Ａ. 術後2週間以内のレーザー、フォトフェイシャル、脱毛のような熱を加える処置は、ボトックス注射の効果が消える可能性があるため控えてください。
また、術後に施術部位をマッサージすると薬剤が分散されてしまうので、3日くらいは控えましょう。

Ｑ4. ボトックス治療当日、
やってはいけないことはありますか？
Ａ. 施術当日の長時間の入浴、サウナ、激しいスポーツ、飲酒、マッサージなどの血行がよくなる行為は控えましょう。
内出血や腫れ、赤みなどの副作用が強く出てしまう可能性があります。

Ｑ5. ボトックス注射後、
いつから効果が現れますか？
Ａ. 個人差や注射部位にもよりますが、ボトックス注射の効果は3〜4日ほどで現れることが多いです。
その後、少しのダウンタイムを経て2週間くらいで定着し、3〜6ヶ月ほどで徐々に効果が消失していきます。