虫歯治療について
虫歯は進行性の歯科疾患です。
自然に治るということはないため、歯医者での治療を受ける必要があります。
昔と比べ、未処置歯という、虫歯にかかっても治していない歯を持つ方は減少傾向にありますが、一度虫歯にかかったことがある方の割合はいまだに高いままといわれています。
エス歯科 みなとみらい院では「痛くない虫歯治療」「ホームケアの指導」の2点から虫歯にアプローチし、口腔内の健康を守るお手伝いをいたします。
Contents目次
こんなお悩みありませんか?
- 何もしていないのに歯が痛む
- 冷たいものが歯にしみる
- 歯がズキズキして痛い
- 虫歯の予防方法を知りたい
- 虫歯になりにくい歯にしたい
- 子どもの虫歯に悩んでいる
虫歯について
虫歯とは
虫歯とは、お口の中の細菌(虫歯菌)によって歯が溶かされて起こる病気です。
細菌は、プラークという歯に付着している汚れの中に潜んでいます。
プラーク内の細菌は、糖を取り込むことで酸を出し、歯を溶かします。
しかし、歯は酸で溶かされてもまた元に戻る力を備えているため、プラークを早めに除去し、酸にさらされてない時間をつくれば、虫歯が進行することはないといわれています。
また、食事の内容を含めた生活習慣、その方自身の歯の質なども虫歯に深く関係しています。
永久歯と乳歯の虫歯の違い
大人よりお子様のほうが虫歯になりやすいといわれています。
それには、いくつかの理由があります。
●エナメル質が薄い
乳歯はエナメル質の厚さがないため、虫歯になりやすいといわれています。
そのため一度虫歯になってしまうと進行が早く、気づいたときには象牙質まで虫歯になってしまうこともあります。
●歯の溝が深い
乳歯は永久歯に比べて奥歯の溝が深く、汚れが除去しにくい傾向にあります。
気づかないうちに溝の内部で虫歯が広がっているケースも多いといわれています。
●磨ききれていない
お子様の歯磨きだけでは清掃が行き届きにくい部位があることも、虫歯を好発させる原因の1つとされています。
歯と歯の間などは、保護者様にとってもなかなか目の行き届きにくい場所です。
また、大人の虫歯の特徴として、次の2点が挙げられます。
・過去の治療した歯の再発が多い
・歯周病によって歯肉が下がり、露出した部分が虫歯になる
この2点の特徴は、多くのお子様の虫歯では起こらないといわれています。
永久歯も年齢によって好発部位が違う
乳歯と永久歯の違いだけでなく、年齢によって虫歯のできやすい場所には差があります。
●若年者
歯と歯の間、奥歯のかみ合わせの溝の部分が虫歯のできやすい場所です。
また、永久歯全体にいえることですが、過去に治療した歯は、虫歯が再発しやすくなります。
虫歯を削った穴に詰め物を詰めていると、時間経過とともに歯との間に段差ができてしまうことがあり、そこにプラークが溜まってしまうためです。
●高齢者
歯と歯肉の境目あたりの根元の部分が、虫歯になりやすい場所です。
これは年齢とともに歯肉が下がってくることに関係しています。
下がった歯肉に隠れていた歯の根っこ部分は、エナメル質で覆われていないため、酸に弱く簡単に溶かされるからだといわれています。
その結果、虫歯につながります。
一般的に虫歯の好発部位といわれている部分は、奥歯の溝、歯と歯の間、歯の根本の3カ所です。
虫歯の進行状況
エナメル質、象牙質、歯の神経へと虫歯が進んでいく過程は、おもに5つの段階に分けられています。
01Co(初期虫歯)
虫歯になりかけの一番初めの段階をCoといいます。
歯の表面がわずかに溶けている、脱灰という状態です。
表面が白濁してみえることもありますが、痛みはないとされています。
歯には、再石灰化といって、酸で溶かされても元に戻る働きがあります。
Coは、歯が元に戻る働きによって治癒が期待できる段階です。
02C1(エナメル質の虫歯)
エナメル質に限局した虫歯をC1といいます。
虫歯は象牙質には達していません。
茶色く変色してみえることもあります。
この段階でも、痛みはないとされています。
Coのようには元には戻りませんが、早い段階で虫歯を発見できると最低限の治療で済むことが期待できます。
03C2(象牙質の虫歯)
象牙質に達した虫歯をC2といいます。
茶色く、穴が開いてみえることがあります。
象牙細管という管を通って神経に刺激が伝わるため、甘いものや冷たいもので痛みが起こるといわれています。
04C3(神経まで達した虫歯)
神経まで達した虫歯をC3といいます。
神経が虫歯菌に感染している状態なので、何もしなくても激しい痛みを感じます。
この状態になると、神経を取り、内部をきれいにする処置をする必要があります。
05C4(歯根まで達した虫歯)
虫歯が進んで、歯のほとんどがなくなってしまった状態をC4といいます。
神経が壊死しているので、痛みは消失します。
歯が原型を留めていない場合や、ほとんどなくなっている場合があります。
歯根に膿がたまっていることもあります。
虫歯の原因・メカニズム
虫歯のメカニズム
●歯垢・プラークの蓄積
・原因はプラーク
虫歯はプラークの中の細菌が、糖をえさにし、酸を生み出すことによって起こるといわれています。
また、個人の歯の質も関係しています。
さまざまな要因が重なって虫歯は起こりますが、まずプラークを除去することが一番の虫歯予防になると考えられます。
プラークは食後数時間たつと口腔内でつくられ始めてしまうといわれているため、食後のブラッシングで落とすことが大切です。
また、細菌の塊であるプラークは、排水溝のぬめりと同じ構造であるといわれています。
細菌同士がより強固に結びついたもので、同じような状態になったプラークは、バイオフィルムという名前で呼ばれます。
●脱灰と再石灰化
・脱灰と再石灰化
歯は酸で溶かされても、元に戻る機能を備えているといわれています。
酸にさらされているとき、歯からはカルシウムやリンのようなミネラル成分が溶けだしますが、口腔内がアルカリ性になることによって再度石灰化します。
これを再石灰化と呼びます。
そのため、再石灰化を促す環境を早く整えれば整えるほど虫歯になりにくくなります。
歯磨きによるプラークの除去だけでなく、「だらだら食べをしない」、「フッ素やキシリトールを併用する」などの方法で、酸にさらされない、再石灰化を促す口腔内環境を整えましょう。
こんな方は注意
●歯並びが悪い
虫歯になりやすい環境として、歯並びが悪いことが挙げられます。
歯並びが悪いと歯磨きがしづらく、磨き残しが多くなる傾向にあります。
結果、虫歯になりやすい口腔内環境となる可能性があります。
●歯の質が弱い
歯の質には個人差があり、虫歯になりやすい方、なりにくい方に分かれます。
エナメル質の構造が関係しているといわれており、弱いと虫歯になりやすくなります。
●食生活
食生活や食の好みも虫歯のなりやすさに関係しています。
・粘っこくて歯にくっつきやすいもの
・砂糖がたくさん入っているもの
・口の中に長くとどまりやすいもの
たとえば、キャラメル、ガム、チョコレート、ジュース、スポーツドリンクなどが好きな方は注意です。
お口の中の環境が酸性に傾きやすい食品、酸性に傾く時間が長くなる食品、だらだら食べにつながる食品は、虫歯になりにくい口腔内環境を整えるためになるべく避けましょう。
●喫煙習慣
喫煙それ自体は虫歯の直接の原因でありません。
しかし、喫煙により口腔内が乾き、ドライマウスとなり、自浄作用が落ちることで間接的に虫歯の誘発につながります。
喫煙習慣は虫歯以外にもさまざまな病気を誘発させるといわれています。
健康のためにも煙草を控えることがおすすめです。
●妊娠
妊娠も虫歯になりやすくする原因を多くもっていると考えられています。
・唾液の性状の変化
妊娠すると、唾液の性状が変化することがあります。
粘性が上がることにより口の中の自浄性が低下し、虫歯になりやすくなります。
・食の好みの変化
一度にたくさんの量を食べられなくなり、食事や間食の回数が増し口の中が酸性になることで虫歯になりやすくなります。
また、甘いものを多く食べるといった、食嗜好の変化の仕方によっては虫歯のリスクが上がるといわれています。
・歯磨きの回数による
つわりがひどくなると、口腔内に歯ブラシを入れることが苦痛になることがあります。
歯磨きがが充分できなくなり、虫歯につながります。
また、妊娠中は歯周病にもかかりやすくなります。
そのほか、女性ホルモン自体が歯周病菌のえさになるともいわれています。
お子様の虫歯の注意点
●飲みもの
お子様の歯は一般的に大人の方の歯より弱く、虫歯にかかりやすいという特徴を持っています。
水代わりにジュースやスポーツドリンクを与えていませんか。
スポーツドリンクに含まれる糖分の量は、スティックシュガー7本分ほどともいわれています。
また、飲みものは食べものと異なり、断続的に何度も摂取する傾向にあります。
歯が長い時間糖に触れていることで虫歯になりやすくなります。
●食べもの
お子様は甘いものに対して味覚が敏感なため、大人の方よりもおやつといった甘いものを好む傾向にあるといわれています。
「泣き止ませるためにおやつを与える」、「回数を決めずに食べさせる」などをすると虫歯になりやすくなります。
何を与えるか迷ったときは、口に糖分が残りにくい、プリンやアイスクリームなどのおやつを選ぶことがおすすめです。
●哺乳瓶
哺乳瓶で飲料を与えると、飲料水中の糖分がお口の中に長く停滞しやすくなり、虫歯につながります。
また、前歯が生えてきたあとでも哺乳瓶を使っていると、ミルクが前歯に接触している時間が長くなるために、虫歯になりやすくなります。
卒乳時期を適正にし、哺乳瓶を使わなくても飲料を飲めるようになったら、早めにストロー飲みや、コップから直接飲む方法に切り替えましょう。
当院での虫歯に対するアプローチ
痛くない虫歯治療
当院はなるべく痛くない虫歯治療を目指しています。
また、患者さまご自身の歯を残すことにも注力して虫歯治療を行っています。
各虫歯の段階で行う治療は次のとおりです。
●CO
COは、自然治癒が期待できる状態です。
再石灰化を促すことで治癒が見込めるため、歯は削りません。
【治療法】
– 歯磨き、歯磨き指導
– フッ素を塗る
●C1(施術回数:1回)
C1は虫歯部分を削って処置をします。
浅いため、麻酔は使う必要がありません。
削ったあとに詰め物をします。
【治療法】
– コンポジットレジン
削った部分に白いプラスチックの詰め物をします。
– インレー
削ったあとに型取りをし、一部をセラミックまたは金属の修復物で覆います。
●C2(施術回数:2~3回)
C2は、場合により局所麻酔を使い、削って処置をします。
削ったあとに、詰め物もしくは歯を一部分だけ覆う被せ物をします。
【治療法】
– コンポジットレジン
削った部分に白いプラスチックの詰め物をします。
– インレー
削ったあとに型取りをし、一部をセラミックまたは金属の修復物で覆います。
●C3(施術期間:1カ月〜数カ月)
C3は、局所麻酔を使い、神経を抜く処置をします。
神経を抜いたあとに全体を覆う被せ物をします。
【治療法】
– 根管治療→クラウン
神経を抜き、根管治療を行ったあとにクラウンという全体を覆う被せ物をします。
【注意事項】
麻酔が切れたあと、歯が浮いた感じがあってもその部分でかまず、反対側の歯でかむようにしてください。
何もしなくても痛みが出る場合がありますが、歯医者で処方する痛み止めをご使用していただくことで痛みの緩和が期待できます。
また、仮の被せ物が完全に取れてしまった場合はご連絡ください。
●C4(施術期間:数カ月~半年)
C4は、根管治療によって歯を残せる場合と、抜歯になる場合の2つのパターンがあります。
根管治療になった場合は、C3の処置と同じ方法で行います。
また、当院ではなるべく歯を残すための治療を行います。
【治療法】
– 根管治療→クラウン
神経を抜き、根管治療を行ったあとにクラウンという全体を覆う被せ物をします。
– 抜歯→ブリッジ
抜歯後、喪失歯をブリッジで補います。
左右の歯を削り、橋をかけるような補綴物です。
– 抜歯→インプラント
抜歯後、抜歯窩の治癒を待って人工歯根を埋入します。
– 抜歯→入れ歯
抜歯後、喪失歯を入れ歯で補います。
ホームケア指導
当院では歯医者での虫歯治療だけにとどまらず、ホームケアのための指導も行っています。
ブラッシング指導、食事のとり方、キシリトールの使い方などもぜひご相談ください。
再発予防の大切さ
自宅でできる虫歯予防
ホームケアにはいくつかのポイントがあります。
●正しいブラッシング
虫歯は夜つくられることが多いため、とくに就寝前にしっかりとブラッシングすることを指導しています。
また、食後はすぐブラッシングを行い、食べかすを残さないようにしましょう。
●正しい食生活
かみごたえのあるものをよくかんで食べましょう。
よくかむことで唾液の分泌量が増え、口の中の汚れを洗い流してくれるといわれています。
また、かみごたえのある食べ物は口の中でかみ砕かれる際にも、歯の表面の汚れを取り除くとされています。
おやつは糖分の高いものを、だらだら食べないようにしましょう。
糖分の高いものをだらだら食べると、虫歯菌が酸をつくる手助けをするといわれています。
また、糖分の高い飲みものにも注意が必要です。
●キシリトールで虫歯予防
キシリトールは歯の再石灰化を促し、虫歯菌を弱める効果があると知られています。
また、ガムをかむと唾液が多く出るため、虫歯予防に効果的です。
【早期発見の大切さ】
虫歯は早期発見が大切です。
COやC1の段階でみつけられると、治療回数も少なく、また歯を失う確率も低くなるといわれています。
定期的な検診を受け、早期に虫歯を発見、治療しましょう。
よくある質問
-
虫歯治療は
どのくらいの期間がかかりますか。 -
1回~数カ月かかることがあります。
一般的に虫歯の進行が進むと、回数も増えます。
早めの受診をおすすめします。
-
痛い治療が苦手です。
-
痛くない虫歯治療を心がけています。
また、麻酔をかけることで痛みを取り除くことが期待できます。
神経まで達してしまった虫歯の治療ほど痛くなる傾向にあります。
痛みが苦手な方ほど早めの治療をおすすめします。
-
突然痛くなりました。
診てもらえますか。 -
ご予約の患者さま優先で対応していますが、急患の患者さまも受け付けています。
順番にお呼びするため少しお待ちいただきます。
まずはお電話ください。
-
子どもが虫歯を繰り返します。
どのようにケアすればいいですか。 -
お子様の歯は大人の方より弱く、虫歯にかかりやすい傾向があります。
フッ素塗布と同時に、効果的な歯磨き粉の使い方や、正しいブラッシング方法などをお伝えします。
また、定期検診もおすすめしています。
一度当院までご来院ください。
-
他院で治療していた歯を治療してもらえますか。
-
1つの虫歯で同時に2つの歯医者にかかることはおすすめできません。
しかし、治療済みのもの、かかっていた歯医者からの移動という形であれば、当院で継続的に診ることができます。
また、緊急時はどこの歯医者に行ってもかまいません。
Doctor's messageドクターメッセージ
虫歯の初期症状は、自身では認識しづらく、見落としやすいのが特徴です。
そのため、気づいた頃には、手遅れとなることも多いです。
当院では、まず、レントゲン・CT・歯茎検査などの精密検査を行い、痛みや違和感の根本原因を探り当てることに力を入れています。
そして、再発がないように患者さまのライフスタイルに合わせて治療とアドバイスをさせていただきます。
エス歯科クリニック横浜みなとみらい院 院長
首藤 真一
最適かつ高精度な治療を
みなさまに
エス歯科グループでは、豊富な知識と経験を積んだドクターが
あなたに合った最適かつ高精度な治療を提供いたします。
機能的治療から審美的治療までお口に関するお悩みは何でもご相談ください。
監修者情報
- エス歯科クリニック 横浜みなとみらい 院長 首藤 真一
- 資 格:歯科医師
出身大学:国立九州大学
▼メッセージ
「エス歯科グループでは他院で難しいといわれた症例あるいは、失敗した症例でも数多く成功させてきました。
その医療技術を神奈川全域、ひいては日本全国の歯でお困りの方に提供するため、アクセスしやすい横浜みなとみらいの地を選び開業しました。
皆様の歯にとって「最後の砦」になるべく、先進の医療技術、最先端の医療設備を駆使して治療に臨みます。
他院で難しいといわれた場合でもぜひ相談にお越しください。
資格 Qualification
ドクターコメント Doctor comment
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