セルフケアだけでは落とせない汚れ
歯垢や歯石は、歯周病や虫歯など、さまざまな口腔内疾患の原因とされています。
セルフケアで取り除ける口腔内の汚れは約60%といわれていて、すべての汚れを自分で落としきることは不可能です。
歯垢はブラッシングで落とせますが、一度歯石化してしまうと自分では落とすことができないといわれています。
歯医者での定期検診に通い、残った歯垢、ついてしまった歯石を落としきることが重要です。
Contents目次
こんなお悩みありませんか?
- 歯石・歯垢がつきやすく悩んでいる
- 歯石で顔の見た目が悪い
- 口臭予防で歯石・歯垢を取りたい
- 歯石・歯垢原因を知りたい
- 歯医者で治療してほしい
- 予防法を知りたい
歯垢・歯石とは
歯垢・歯石について
●歯垢
プラークとも呼ばれ、歯の表面や歯と歯肉の境目、歯と歯の間に付着している白いネバネバしたかたまりです。
歯ブラシでこすって落とすことが可能とされています。
歯垢の中身は細菌で、1gあたり600種類、1000億個以上の細菌がいるといわれています。
歯垢を放置すると、歯垢中の細菌が食べものの中に含まれる糖分をえさに、酸をつくり出し、歯の表面のエナメル質を溶かします。
これが、虫歯を発生させる原因といわれています。
●歯石
唾液中のカルシウムやリンの成分が歯垢に取り込まれ、石灰化したものです。
歯石は、唾液に触れやすい場所につきやすく、下の歯では前歯の裏側、上の歯では奥歯の頬っぺた側に付着しやすい傾向があります。
また、表面がざらざらしているため、さらにプラークを呼び寄せるという悪い性質もあります。
歯垢が歯石になってしまうと歯ブラシで落とすことはできないため、歯石化する前の段階から、歯垢がつきやすい部分の清掃を念入りに行い付着させないようにしましょう。
プロフェッショナルケアにおいても、歯石ができてから取り除くのではなく、歯石になる前のバイオフィルムの段階で定期的に清掃を行うことで付着を防ぎます。
歯垢・歯石がつきやすい場所
歯石は次の場所につきやすいといわれています。
・唾液腺の出口(歯石は歯垢と唾液中のミネラルによってつくられる)
・下の前歯の裏側(下顎の真ん中あたりにある顎下腺はもっとも唾液の産生量が多い)
・上の両側の奥歯(耳下腺という頬にある唾液腺の周辺)
目にみえるような形で歯の上についているということは、かなりの期間クリーニングをしてこなかったということでもあり、目にみえない歯肉の下にはさらに多量の歯石がついていることが予想されます。
また、歯石が古くなった場合や、血液と混ざり合った場合は、黒く変色するという特徴があります。
歯垢・歯石を放置するリスク
歯垢、歯石を放置するリスクは数多くあります。
歯垢は細菌の塊であることから、その毒素が原因のあらゆるトラブルを引き起こす可能性があります。
また、歯石は、それ自体に毒素があるわけではありませんが、歯垢を呼び寄せやすいざらざらとした表面であること、歯肉縁下という歯肉の下につくことで炎症を引き起こしてしまう点がリスクと考えられます。
歯垢は1日でつくといわれ、また2日で歯石化が始まるといわれていることから、何らかのリスクが高まる前に除去することが大切です。
虫歯
虫歯は歯垢内の細菌が産生する酸によって起こるといわれています。
酸を産生する菌はミュータンス菌と呼ばれ、もともと口の中に存在しています。
しかし、ミュータンス菌が、えさである糖分を取り込み、ねばねばした物質をつくり出すと、そこに歯垢が付着し始めます。
つくられた歯垢が多くのミュータンス菌の巣窟となり、増殖が進みます。
さらに糖分を摂取することで、本来の機能では戻せないほどに口腔内の酸性度が高まり、エナメル質が溶けだすといわれています。
これが虫歯の発生と歯垢の関係です。
虫歯は体質といったそのほかの影響も大きく受けていますが、進行速度違いがあるだけでこの発生機序は同じです。
また、酸性に傾いている時間が長いほど虫歯になりやすいため、歯垢を長い間放置していると、それだけ虫歯につながる可能性があります。
歯周病
歯垢、歯石は、虫歯だけでなく歯周病のおもな原因です。
歯周病は、歯垢に含まれる細菌の毒素が、まず歯肉に炎症を起こすところから始まります。
その時点で丁寧なブラッシングを行い、歯医者でのクリーニングを受ければ、炎症はやがて治まりますが、そのままにしてしまうと、歯周病菌は歯と歯肉の隙間から、歯肉の内部に入り込みます。
そして、歯を支えている歯槽骨を溶かし始めるといわれています。
また、歯肉の下であっても歯垢は、血液と唾液によって歯石化します。
この歯石から、歯垢はどんどん歯肉の内部へと潜り、さらに炎症を広げていきます。
これが歯周病の発生と、歯垢、歯石の関係です。
歯周病の炎症は痛みもなく進むため、注意が必要です。
口臭
歯垢、歯石は口臭の原因となることもあります。
その口臭は、歯垢に含まれる細菌が、メチルメルカプタンや硫化水素などの臭いの強いガスをつくることによって起こります。
直接的でなく、歯垢、歯石によって引き起こされた歯周病、虫歯などが口臭の原因になることもあります。
歯垢、歯石を放置するほど口臭はひどくなる傾向にあります。
歯石・歯垢の原因
口腔内にはかならず細菌が存在していて、それを0にすることはできません。
しかし掃除をしなければ、歯垢、歯石が溜まり、歯周病や虫歯につながります。
まず、ペリクルという唾液由来の膜が歯の表面に付着することから、歯垢の増殖は始まります。
つるつるした表面にはくっつきにくかった歯垢も、ペリクルを足がかりにして歯にくっつくことが可能になるといわれています。
そのあとは、歯垢の上に歯垢が付着するような形でさらに厚くなっていきます。
一定の厚みになると、バイオフィルムという、細菌同士が強固にスクラムを組んだ形態へ変化し、除去が困難になるといわれています。
磨き残しがある
歯垢、歯石ができる一番の原因は磨き残しです。
歯垢は1日ででき、歯石は2日で歯石化が始まることから、その前にブラッシングがきちんとできていれば積み重なることはないといわれています。
きちんと磨いているつもりでも、磨き残しがあれば歯垢、歯石はそこに溜まっていきます。
セルフケアでしっかりと除去できていないことが一番の歯垢、歯石の原因です。
専門的なクリーニングを受けていない
どんなにしっかり磨いても、セルフケアで除去できる汚れは全体の60%といわれていることから、プロフェッショナルケアを受けることも大切です。
プロフェッショナルケアでは、ブラッシングでは落とせない、ペリクルも落とすことが期待できます。
ペリクルは歯垢の足がかりになるため、プロフェッショナルケアでこまめに落とすことが理想と考えられます。
また、歯垢はブラッシングで落とせますが、一旦歯石化してしまうとセルフケアの範囲では落とせません。
そのため、歯石に対してもプロフェッショナルケアが必要です。
歯垢、歯石を溜めないためにも定期検診を受けましょう。
ドライマウスによる自浄作用の低下
唾液が多く、自浄作用が働いている方は、歯垢や歯石がたまりにくくなります。
口呼吸、喫煙などは唾液の量を減らすといわれています。
生活習慣に気をつけ、自浄作用の働きやすい口腔環境を保てるように心がけましょう。
当院の治療内容
検査
当院では治療前に、レントゲンや歯科用CTで口腔内の状態を確認し、さらには歯周ポケット検査、歯肉の検査などを行います。
しっかりとついた歯石は、レントゲンに写ります。
歯周ポケット検査では、歯肉の下にプローブという器具を挿入するため、その部位に歯石がついているかどうかを調べる指針にもなります。
スケーリング、ルートプレーニングなど
検査を行ったあとは、次のような実際の清掃とケアに入ります。
●スケーリング
歯の表面や根っこに硬く付着している歯石をスケーラーで除去します。
●デブライドメント
歯肉の内部に潜っている歯石やプラークを除去します。
●歯面研磨
歯面についたペリクルや色素沈着を落とすとともに、歯の表面をつるつるにして歯垢をつきにくくします。
●ブラッシング指導
効果が長続きするようにブラッシング指導を行う場合もあります。
外科処置に移行することも
もしスケーリングやルートプレーニングで歯石を落としきれず、それが歯周病の原因になっている場合、外科処置に移行し、歯肉を開いて清掃を行うこともあります。
●フラップ手術
歯肉を切開して、歯肉内部に潜っている、歯の表面に付着した歯石を徹底的に除去します。
予防のためセルフケア
丁寧なセルフケア
●歯磨き
正しいブラッシング方法で磨くことが、効果的なセルフケアへの第一歩です。
毎日繰り返し行うなかで、いい加減になってしまわないように注意が必要です。
また、歯ブラシの形状も大切です。
歯磨きのヘッドは大きすぎると動かしにくいため、小さめを選び、細かく軽い力で動かしながらブラッシングしましょう。
●デンタルフロス
歯と歯の間はデンタルフロスで汚れを除去しましょう。
歯と歯の間は歯周病、虫歯になりやすい部位でもあります。
ホルダータイプとロールタイプがあり、ご自身で使いやすいタイプをみつけましょう。
●歯間ブラシ
細いデンタルフロスだけでは除去しにくい空いた歯間には、歯間ブラシが効果的です。
歯間ブラシはサイズがさまざまあります。
初めは一番小さなサイズを選び、ご自身の歯間サイズにあったものをみつけましょう。
無理に押し込んでしまうと歯肉が傷ついてしまうため注意しましょう。
●うがい
毎食後のセルフケアが行えない場合には、うがいを行うことだけでも効果的です。
とくに食後は、意識して取り組みましょう。
よくかむ
よくかむことで唾液の分泌につながります。
自浄作用が向上し、歯垢や歯石がつきにくくなります。
また、消化にも良いため、食事の時は意識することがおすすめです。
食事内容にも気をつけ、糖をとりすぎず、歯垢の中の虫歯菌が酸をつくりにくくするように心がけましょう。
よくある質問
-
歯垢、歯石は予防できますか。
-
歯垢は数日で付着するため、定期的なブラッシングが効果的です。
歯石は、歯垢が歯石化したものなので、歯垢を早めに除去することで防止につながります。
-
効果的なブラッシング方法はありますか。
-
バス法という、歯肉に対して45度に歯ブラシを傾ける磨き方がおすすめです。
歯垢がつきやすい歯肉と歯の境目を重点的に磨けるため、歯周病予防に効果的です。
-
歯垢がつきやすい歯、
つきにくい歯というのはありますか。 -
表面がきれいなほどつきにくくはなります。
しかし、歯垢は口腔内の細菌と、そのかすなどで構成されているため、口腔内環境を整えることも大切です。
-
歯垢はどのくらいで歯石化するのですか。
-
約2日で歯石化が始まるといわれています。
-
前歯の裏の歯石が取れません。
自分で取る方法はありますか。 -
歯石は歯の表面に強固に付着しています。
ブラッシングといったセルフケアでは取り除くことはむずかしく、歯医者でスケーラーを使用する除去が必要になります。
Doctor's messageドクターメッセージ
歯垢や歯石は、細菌の塊であり、虫歯や歯周病の原因菌などが含まれています。
除去せず放置してしまうと、様々なトラブルを招きます。
当院では、虫歯になってから治療するのではなく、虫歯にならないように行う予防歯科に重点を置いているため、定期的なクリーニングを推奨しています。
どんなに良い治療で治ったとしても、健康な歯に勝るものはありません。
今は感じなくても、潜んでいるトラブルがあるかもしれません。
しばらく歯科に通っていない方は、ぜひ口内のチェックにいらしてください。
エス歯科クリニック横浜みなとみらい院 院長
首藤 真一
最適かつ高精度な治療を
みなさまに
エス歯科グループでは、豊富な知識と経験を積んだドクターが
あなたに合った最適かつ高精度な治療を提供いたします。
機能的治療から審美的治療までお口に関するお悩みは何でもご相談ください。
監修者情報
- エス歯科クリニック 横浜みなとみらい 院長 首藤 真一
- 資 格:歯科医師
出身大学:国立九州大学
▼メッセージ
「エス歯科グループでは他院で難しいといわれた症例あるいは、失敗した症例でも数多く成功させてきました。
その医療技術を神奈川全域、ひいては日本全国の歯でお困りの方に提供するため、アクセスしやすい横浜みなとみらいの地を選び開業しました。
皆様の歯にとって「最後の砦」になるべく、先進の医療技術、最先端の医療設備を駆使して治療に臨みます。
他院で難しいといわれた場合でもぜひ相談にお越しください。
資格 Qualification
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