前歯だけの矯正、費用はいくら？期間と失敗しない方法を専門医が解説

2025年11月04日 /

歯列矯正

「人前で笑うとき、無意識に口元を手で隠してしまう」
「前歯2本のガタガタだけ、どうにかならないかな」
「すきっ歯が気になって、会話に集中できない」

このように、前歯の歯並びに関するお悩みは、非常に多くの方が抱えています。
全体的な歯並びは悪くないのに、一番目立つ前歯だけが気になる。
だからこそ、「全部の歯を動かす大掛かりな治療ではなく、この部分だけを治したい」と考えるのは自然なことです。

この記事では、そうした疑問にお応えするため、前歯の部分矯正にかかる費用と期間の相場、そして「安い・早い」だけを追求した場合の知られざるリスクについて、専門家の視点から徹底的に解説します。

費用も期間も、そして治療結果の美しさも妥協したくない方のために、失敗しないクリニック選びの秘訣と、最新の治療法についてもご紹介します。

01.そのガタガタ・すきっ歯、前歯だけ治したい…皆さんが抱える悩み
02.前歯の「部分矯正」費用と期間のリアルな相場
03.注意！「安い・早い」だけが魅力の前歯矯正に潜むリスクとは？
04.目立たず快適！前歯矯正になぜ「マウスピース矯正」が選ばれるのか
05.エス歯科クリニック横浜みなとみらいが選ばれる理由
06.前歯のマウスピース矯正治療の流れ
07.前歯の矯正に関するよくある質問
08.当院のご紹介
09.関連メニューページ

そのガタガタ・すきっ歯、前歯だけ治したい…皆さんが抱える悩み

鏡を見るたび、あるいは写真に映る自分の笑顔を見るたびに、前歯の歯並びが気になってしまう。
こうしたお悩みは、ご本人が感じている以上に深刻なストレスとなっているケースが少なくありません。

叢生（そうせい）：前歯が重なり合ってガタガタしている。
空隙歯列（くうげきしれつ）：いわゆる「すきっ歯」。特に前歯の真ん中に隙間があると目立ちやすい。
上顎前突（じょうがくぜんとつ）：前歯が前方に突出している、いわゆる「出っ歯」。
八重歯：犬歯が歯列から飛び出している状態。

これらの症状は、笑顔や会話の際に最も目立つ「前歯部」に現れるため、コンプレックスの原因となりやすいのです。

「でも、矯正治療といえば、高額で時間もかかるし、金属の装置が目立つのはちょっと…」と、治療をためらっている方も多いのではないでしょうか。
そうしたお悩みの解決策として注目されているのが、治療範囲を限定して行う「部分矯正」です。
特に気になる前歯だけを対象とすることで、費用や期間の負担を大幅に軽減できる可能性があります。

前歯の「部分矯正」費用と期間のリアルな相場

全顎矯正が上下すべての歯を動かし、噛み合わせ全体を根本から再構築する治療であるのに対し、部分矯正（限定的矯正治療）は、主に見た目が気になる前歯部（上下それぞれ6本程度）を対象に歯を動かす治療法です。
動かす歯の本数と範囲が限定されるため、当然ながら費用と期間も抑えられる傾向にあります。

費用相場

装置の種類によって費用は異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

マウスピース矯正：約10万円～70万円
ワイヤー矯正（表側）：約30万円～60万円
ワイヤー矯正（裏側）：約40万円～70万円

※上記の費用はあくまで目安です。
ブランドやクリニック、症例の難易度によって大きく変動します。

治療期間

全顎矯正が一般的に1年半～3年程度かかるのに対し、前歯の部分矯正は約3ヶ月～1年程度で完了するケースが多くなります。
このように、「費用が安く、期間も短い」という点は、前歯の悩みをピンポイントで解決したい方にとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

注意！「安い・早い」だけが魅力の前歯矯正に潜むリスクとは？

「安い・早い」という魅力的な言葉が並ぶ前歯の部分矯正ですが、この手軽さだけに飛びついてしまうと、将来的に大きな後悔につながる可能性があります。
なぜなら、前歯の歯並びが乱れている根本的な原因が、実は「奥歯の噛み合わせ」や「骨格」にあるケースも少なくないからです。
専門家としての視点から、安易な部分矯正に潜む重大なリスクを指摘します。

部分矯正が適応できない（リスクが高い）ケース

まず大前提として、以下のようなケースは部分矯正の適応外となる可能性が非常に高いです。

・奥歯の噛み合わせに問題がある場合
・重度の出っ歯や受け口など、骨格的なズレが原因の場合
・歯を並べるスペースが極端に不足している重度の叢生（ガタガタ）
・開咬（奥歯で噛んでも前歯が閉じない）や過蓋咬合（噛み合わせが深すぎる）など、噛み合わせ自体に大きな問題がある

リスク1：噛み合わせが悪化し、全身に不調が出る可能性

見た目の改善だけを優先し、奥歯とのバランスを考慮せずに前歯だけを無理に動かした結果、全体の噛み合わせが崩れてしまうことがあります。
不適切な噛み合わせは、顎の関節に過度な負担をかけ、顎関節症（口が開かない・カクカク音が鳴る）や、それに伴う慢性的な頭痛・肩こりといった全身の不調を引き起こすリスクがあります。

リスク2：治療後に「後戻り」しやすい

歯並びが悪くなった根本原因（例：奥歯のズレによって前歯が押し出されている）を解決しないまま前歯だけを並べても、歯は元の不安定な位置に戻ろうとします。
その結果、せっかく治療したのに数年で再び歯並びがガタガタになってしまう「後戻り」のリスクが、全顎矯正に比べて非常に高くなるのです。

リスク3：期待した「美しさ」が得られない

例えば、前歯がガタガタしている原因が「歯を並べるスペース不足」にある場合、スペース確保の計画なしに無理に歯を並べると、歯列全体が前方に突出し、いわゆる「口ゴボ」のような状態になってしまうことがあります。
歯は並んだけれども、口元の突出感が改善しない、あるいは悪化してしまい、審美的な満足感が得られないケースです。

結論：「部分矯正」は専門医による正確な診断が命

前歯の部分矯正は、誰にでも適応できる簡単な治療ではありません。
その方の骨格や奥歯の噛み合わせを総合的に診断した上で、「部分的な介入だけで、機能的にも審美的にも安定した結果が得られる」と専門医が判断した場合にのみ、初めて選択肢となる治療法です。
「安いから」「早いから」という理由だけで安易に治療を決めると、健康とお金、その両方を失いかねないのです。

目立たず快適！前歯矯正になぜ「マウスピース矯正」が選ばれるのか

では、専門医による正確な診断のもと、前歯の部分矯正が可能となった場合、どのような治療法が選ばれるのでしょうか。
近年、特に前歯の審美性を気にする大人の方に圧倒的に支持されているのが「マウスピース矯正」です。

理由1：治療中であることが、ほとんど気づかれない

最大の理由は、その圧倒的な審美性です。
透明なプラスチック製の装置（アライナー）を使用するため、装着していても周囲の人に気づかれることはほとんどありません。
接客業や人前に立つ仕事をしている方でも、日常生活を変えることなく治療を進められます。

理由2：食事も歯磨きも普段通りで、衛生的

マウスピース矯正は、自分で簡単に取り外しが可能です。
ワイヤー矯正のように食べ物が装置に挟まったり、食事制限をしたりする必要は一切ありません。
歯磨きも装置を外して普段通りに行えるため、矯正治療中にありがちな虫歯や歯周病のリスクを低く保つことができます。

理由3：痛みやトラブルが少なく快適

ワイヤー矯正でよくある「装置が唇や頬に当たって口内炎ができた」「ワイヤー調整後の痛みが強い」といった不快感が少ないのも大きな特徴です。
新しいマウスピースに交換した直後、数日間は歯が押されるような違和感がありますが、その痛みは比較的マイルドとされています。

理由4：多忙な方でも続けやすい「通院頻度の少なさ」

ワイヤー矯正が月に1回程度の調整を必要とするのに対し、マウスピース矯正は治療計画に基づいて作製されたマウスピースを自分で交換していくため、通院頻度は1.5ヶ月～3ヶ月に1回程度で済む場合が多いです。
みなとみらい近辺で働く多忙なビジネスパーソンにとっても、非常にメリットの大きい治療法と言えます。

理由5：治療後の姿を「見える化」できる

当院でも導入している「iTero（アイテロ）」のような3D口腔内スキャナーを使用することで、不快な型取りが不要になるだけでなく、その場で治療後の歯並びをシミュレーション画像として確認できます。
治療のゴールを医師と患者様が明確に共有できるため、安心して治療をスタートできます。

エス歯科クリニック横浜みなとみらいが選ばれる理由

マウスピース矯正は、今や多くのクリニックで提供されています。
しかし、その治療結果は、どのクリニックで受けても同じではありません。
前述のリスクを回避し、費用、期間、そして何よりも「確実な治療結果」を手に入れるためには、どの「ドクター」に任せるかが最も重要です。
エス歯科クリニック横浜みなとみらいが、医療リテラシーが高く、本質的な価値を求める患者様から選ばれ続ける理由がここにあります。

理由1：世界最高峰の専門性「ブルーダイヤモンド・プロバイダー」

マウスピース矯正の「インビザライン」には、症例数に応じてランクが認定される制度があります。
その最高位のひとつが「ブルーダイヤモンド・プロバイダー」です。
エス歯科グループは、この世界トップクラスの症例実績を持つ「ブルーダイヤモンド・プロバイダー」に認定されています。

この圧倒的な症例経験こそが、患者様一人ひとりの骨格や歯の状態を見極め、「前歯の部分矯正が本当に適応可能か」を正確に診断する力の源泉です。
万が一、部分矯正が難しいと判断された場合でも、豊富な経験に基づいた最適な代替案をご提案できます。

理由2：治療期間を短縮する先進技術「PBMヒーリングオルソ」

「早く治療を終えたい」という患者様のニーズに応えるため、当院では光加速矯正装置「PBMヒーリングオルソ」を導入しています。
これは、近赤外線を歯の周辺組織に照射することで細胞を活性化させ、歯の移動を促進する医療機器です。
臨床研究によれば、治療期間の短縮や治療に伴う不快感の軽減が期待できます。
（※効果には個人差があります。すべての方に適応できるわけではありません。）

理由3：「月々調整料無料」という透明性の高い費用体系

矯正治療でよくある不安が、「通院のたびに調整料がかかり、総額がいくらになるかわからない」という点です。
当院では、患者様に安心して治療に専念していただくため、月々の調整料を無料とする「トータルフィー制度（総額提示制）」を採用しています。
治療開始前に提示する総額費用に、治療中の調整料がすべて含まれているため、治療期間が延びた場合でも追加の費用は発生しません。

理由4：大学病院レベルの「チーム医療」による「最後の砦」

当院は「他院で『難しい』とされた症例」や「過去に治療がうまくいかなかったケース」に数多く対応してきた「最後の砦」としての自負があります。
その実績を支えるのが、矯正専門医だけでなく、補綴（被せ物）、精密根管治療（根の治療）、さらには麻酔科の専門医までが在籍する「チーム医療体制」です。
例えば、矯正治療の前に、マイクロスコープを使った精密な根管治療が必要な場合でも、当院でワンストップで最高水準の治療を提供できます。
この包括的な診断力こそが、安易な部分矯正による失敗を防ぎ、長期的に安定した健康と美しさを実現する鍵となります。

前歯のマウスピース矯正治療の流れ

エス歯科クリニック横浜みなとみらいでの治療は、患者様との対話を何よりも大切にしています。

STEP1：無料カウンセリング

まずはお悩み、ご希望、ご予算などを詳しくお伺いします。
その上で、3D口腔内スキャナー「iTero」を使用し、治療後の歯並びのシミュレーションをお見せすることも可能です。

STEP2：精密検査

治療計画の立案に不可欠なデータを収集します。
レントゲン撮影、口腔内スキャン、お顔やお口の中の写真撮影などを行います。

STEP3：診断・治療計画の説明

精密検査の結果を基に、担当する専門医が医学的観点から診断します。
最適な治療計画（部分矯正か全顎矯正か、マウスピースかワイヤーか、治療期間、費用など）を複数ご提示し、それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明します。

STEP4：治療開始前処置

計画にご納得いただき治療がスタートする前に、必要に応じて虫歯や歯周病の治療を行います。
マウスピース矯正の場合、歯に「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を装着したり、歯の側面にわずかなスペースを作る「IPR（歯間削合）」を行ったりすることがあります。

STEP5：アライナー装着・治療開始

オーダーメイドで作製されたアライナー（マウスピース）をお渡しし、着脱方法やお手入れについてご説明します。
ご自宅では、歯科医師の指示に従い、通常1～2週間ごとに新しいアライナーにご自身で交換していただきます。
通院は1.5～3ヶ月に1回程度、歯の動きや装置の状態をチェックします。

STEP6：保定期間

計画通りに歯が移動し、美しい歯並びが完成したら、動的治療は完了です。
しかし、矯正治療はここで終わりではありません。
歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐため、「リテーナー（保定装置）」を装着する保定期間に入ります。
この保定を確実に行うことが、治療結果を生涯維持するために最も重要です。

前歯の矯正に関するよくある質問

Q1：前歯2本だけ、4本だけでも矯正できますか？
A1：はい、可能です。ただし、それは奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、前歯だけを動かしても全体のバランスが崩れないと専門医が診断した場合に限られます。
見た目では2本だけの問題に見えても、実際には周囲の歯を含めた広範囲の移動が必要なケースも多いため、まずは精密検査を受けることをお勧めします。

Q2：本当に目立ちませんか？仕事（接客業）に影響は？
A2：マウスピース矯正は透明な装置のため、日常生活で他人に気づかれることはほとんどありません。
接客業やアナウンサーなど、人前に立つご職業の方にも多く選ばれています。
装着し始めの数日間は、わずかに発音がしにくくなることがありますが、すぐに慣れる方がほとんどです。

Q3：痛みはどの程度ありますか？
A3：痛みの感じ方には個人差がありますが、ワイヤー矯正に比べて痛みや不快感は少ないとされています。
新しいアライナーに交換した後の2～3日間は、歯が押されるような「違和感」や「締め付け感」が出ることがありますが、これは歯が動いている証拠でもあります。

Q4：治療期間中に食事会や飲み会があっても大丈夫ですか？
A4：はい、大丈夫です。マウスピース矯正の大きなメリットは、食事の際に取り外せることです。
会食や飲み会がある場合は、装置を外し、食事が終わった後に歯磨き（またはうがい）をしてから再装着してください。
ただし、1日の総装着時間（20時間以上）を守ることが治療成功の鍵となります。

Q5：治療期間が予定より延びた場合、追加料金はかかりますか？
A5：当院では「トータルフィー制度（総額提示制）」を採用しておりますので、治療開始前にお示しした総額費用から、月々の調整料や、治療期間の延長による追加費用をいただくことは原則としてありません。安心して治療に専念いただけます。
（※装置の紛失・破損が続く場合などは、別途費用をいただく場合がございます。詳細は契約時にご説明します。）

Q6：治療後に後戻りしませんか？
A6：矯正治療である以上、後戻りのリスクはゼロではありません。動かした歯は元の位置に戻ろうとします。
この後戻りを防ぐために、治療完了後は必ず「リテーナー（保定装置）」を指示通りに使用していただく必要があります。
保定装置の適切な使用が、美しい歯並びを生涯維持する鍵となります。

Q7：出っ歯もマウスピースの部分矯正で治せますか？
A7：症例によります。「歯の傾き」が原因の軽度な出っ歯であれば、部分矯正で改善できる可能性があります。
しかし、「骨格」に原因がある場合や、歯を大きく後ろに下げる必要がある場合は、全顎矯正や抜歯が必要となるケースが多いです。
正確な診断は精密検査後に可能となります。

Q8：部分矯正とセラミック治療はどちらが良いですか？
A8：目的によって異なります。セラミック治療は、歯を削って被せ物をするため、短期間で色も形も理想的にできますが、健康な歯を削る必要があります。
一方、部分矯正はご自身の歯を動かすため、歯を削る必要はありませんが、治療期間がかかります。
長期的な健康を考えると、私たちはご自身の歯を保存できる矯正治療を第一に推奨しています。

Q9：部分矯正で歯を削る（IPR）ことはありますか？
A9：はい、必要な場合があります。重なり合った歯を並べるスペースを作るために、歯のエナメル質の側面を、健康に影響のないごくわずかな範囲（0.2mm～0.5mm程度）で削る「IPR（歯間削合）」という処置を行うことがあります。
これにより、抜歯を回避して歯を並べることが可能になるケースもあります。

Q10：部分矯正で歯茎が下がったり、隙間（ブラックトライアングル）ができたりしませんか？
A10：もともと歯が重なっていた部分を整えると、隠れていた歯茎が現れ、歯と歯茎の間に三角形の黒い隙間（ブラックトライアングル）が見えるようになることがあります。
これは特に成人矯正で見られやすい現象です。当院では、IPRで歯の形を整えるなど、隙間が極力目立たないよう配慮した治療計画を立案します。

Q11：骨格性の受け口や出っ歯は部分矯正で治りますか？
A11：いいえ、原則として治りません。部分矯正は歯の傾きを治す治療です。
顎の骨の位置や大きさといった骨格的な問題が原因である場合、部分矯正で歯だけを動かそうとすると、噛み合わせがさらに悪化するリスクがあります。
骨格性の問題には、全顎矯正や、場合によっては外科手術を伴う矯正治療が必要です。

Q12：カウンセリング当日に契約する必要はありますか？
A12：一切ございません。当院のカウンセリングは、患者様のお悩みを知り、専門的な視点から最善の選択肢をご提案する場です。
ご自宅でじっくりとご検討いただき、ご納得いただいた上で治療に進んでいただければと思います。