インプラント

ご自身の歯を残そうと虫歯や歯周病の治療を行っても、抜歯を余儀なくされるケースがあります。
従来の治療法といえば、入れ歯やブリッジでしたが、見た目や健康な歯を削るなどのデメリットもありました。
インプラントは見た目や健康な歯を削るというデメリットを補うことが期待できる治療法です。

もちろんブリッジや入れ歯を選択していただくことも可能です。
歯は歯槽骨と呼ばれる顎の骨に支えられています。
その歯槽骨に、歯の根っこの代わりとなる、チタン製のインプラントを直接埋め込みます。

●インプラント

・固定の方法

顎の骨に埋め込み、骨を結合させて固定源にする。

・メリット

審美的に優れている、かみ心地が天然歯とほぼ変わらないというメリットがあります。

・デメリット

外科処置が必要になります。

●入れ歯

・固定の方法

今ある歯にクラスプと呼ばれる金具や、顎堤（がくてい）と呼ばれる粘膜を固定源にしてお口の中で維持します。

・メリット

外科処置の必要がない、固定源の歯は削らなくてよいという点があります。

・デメリット

外れてしまうことがある、かむ力が発揮できず硬いものがかめない、見た目が悪いなどのデメリットが挙げられます。

当クリニックでは「自身の歯に勝るものはない」との考えから、無理に抜歯をご提案することはありません。
マイクロスコープや歯科用CTを用いて、精密根管治療、精密歯周病治療を行いますが、それでも歯の保存がむずかしく、抜歯が避けられないと診断された患者さまには、インプラント、入れ歯、ブリッジなど、患者さまに適した治療法をご提案させていただきます。

ほかのクリニックで抜歯が必要と診断された場合であっても、諦めずに一度、当クリニックにご相談ください。
インプラント治療のご用意はありますが、まずは抜歯を回避するための精査、診断を行います。

当院では、まずは抜歯を避けられないか検討したあとで、適応となる患者さまにだけインプラント治療をおすすめします。

次のような流れでインプラント治療を行っていきます。

①インプラント治療のなかにも、本数や位置などの選択肢があり、患者さんに合わせたいくつかのプランをご提案します。
②治療方針が決まれば、インプラントの埋入手術へ移ります。
必要であれば手術前に歯周病知慮などのを行うことがあります。。
③1～2週間後に抜糸を行い、そのあとは3～6カ月の安静期間となります。
④インプラント体が安定したあと、人工歯を装着します。

また、顎の骨の厚さや幅が足りない場合に適応する、サイナスリフトやブロック骨移植などの取り扱いもございますので、一度ご相談ください。
インプラントは精密で高度な技術が必要です。
当院では、インプラント専門医として数十年治療にあたっている医師が、インプラント治療を担当します。

●見た目が自然

天然歯と見比べても自然です。
入れ歯やブリッジはそこが補綴であることがわかる傾向にありますが、インプラントはわかりにくくなっています。

●天然歯のようにかめる

歯根の役割をするものがあるというのがインプラントの大きな特徴です。
そのため、天然歯のようにかむことが期待できます。

●周囲の歯に影響を与えない

1本1本が独立しているため、周囲の歯に影響を与えません。

●着脱の管理がない

入れ歯は着脱管理や、清潔に保つための清掃が必要でしたが、インプラントは必要ありません。

●顎の骨の健康維持

歯槽骨は上下の歯がかみ合う刺激で、増生と吸収を繰り返し、健康を維持しています。
インプラントを入れることで、増生と吸収のサイクルが正常になり、過剰な吸収を抑えられるといわれています。

インプラントは入れ歯治療と連携することも可能です。
多くの歯を失ってしまった場合、すべてインプラントにすることは、身体的負担や金銭的負担の面でむずかしいと考えられます。
そのような場合におすすめなものが、インプラントオーバーデンチャーです。

インプラントオーバーデンチャーは、2~4本のインプラントを埋め込み、骨とインプラントを結合させて固定源とし、その上に入れ歯をいれて使用します。
そうすることで、一般的な入れ歯の課題点であった、外れやすい、痛い、かめないといった問題のカバーが期待できます。

総入れ歯、部分入れ歯ともに対応可能で、一般的な入れ歯のように取り外しも可能なため、修理や清掃にも便利だと考えられます。

歯は歯槽骨、歯根膜、セメント質、歯茎で支えられています。
一方でインプラントは、歯槽骨とインプラントのみで結合しています。
そのため、本来であれば歯根膜から広がる歯周炎も、インプラントの場合は直接歯槽骨に広がるといわれています。

天然歯よりも炎症がはやく広がり、あっという間にインプラントを支えきれなくなる可能性があります。
インプラント治療後の歯周病は、もっとも避けなければならない病気ともいわれ、適切な口腔ケアや定期的なメンテナンスが重要です。