インビザライン

インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、矯正装置がほとんど目立ちません。
従来のワイヤー矯正とは異なり、矯正中であることを周囲に気づかれにくいため、見た目が気になる方におすすめです。
接客業や営業職など、人前に出る機会が多い方でも安心して治療できます。
大人の歯列矯正が一般に広がったのは、インビザラインのこの目立ちにくさのおかげだといっても良いでしょう。

ワイヤー矯正は、ワイヤーを締める強い圧力によって一度に大きく歯を動かすのが特徴です。
それに比べてインビザラインの場合は、1週間程度でマウスピースを交換して歯を調整する工程を細かく分けることで、歯を少しずつ移動させていくため痛みが少ないのです。
マウスピースを交換したてのタイミングでは多少の痛みや圧迫感は伴いますが、それでもワイヤー矯正よりも痛みが少ないといえます。
また、ワイヤー矯正では金属のとがった部分などで粘膜が傷ついたり、痛みが出たりすることがありますが、マウスピース矯正はその心配がほとんどありません。

インビザラインは、食事の際にマウスピースを取り外せるため、基本的に通常と変わらない食生活を送ることができます。
ワイヤー矯正では、装置に食べ物が詰まりやすく、硬いものや粘着質のあるものを避ける必要がありますが、取り外し式のインビザラインならその心配はほとんどありません。
歯の動揺などがある時はやわらかい食べ物をおすすめすることがありますが、基本的に制限はなく、好きなものを食べながら歯並びを整えたい方にぴったりの矯正方法です。

ワイヤー矯正の場合、装置の周りに汚れが溜まりやすく歯磨きがしにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
一方、インビザラインは矯正装置の取り外しが可能なため、普段通りの歯磨きができ口腔内を清潔に保ちやすいのが特徴です。
また、金属を使用していないため、装置と口腔内がぶつかることによって生じる口内炎のリスクも少なく、快適に矯正を進めることができます。
歯の健康を守りながら歯列矯正をしたい方におすすめです。

インビザライン矯正では、作成したマウスピースを利用してホームホワイトニングを行うことが可能です。
マウスピースの内側に専用のホワイトニングジェルを注入してから歯に装着することで、少しずつ歯を白くしていくことができます。
ホームホワイトニングは、一度専用ジェルを受け取りさえすれば、ご自宅にいながらいつでも好きなタイミングでホワイトニングが行えます。
歯列矯正を進めながら、歯の透明感やツヤ感を手に入れたい方におすすめです。

インビザライン・コンプリヘンシブは、全ての歯を対象とした、インビザラインの一番基本的な矯正プランです。
インビザライン・フルと呼ばれることもあります。
マウスピースの枚数に制限がなく、複雑な歯列不正の治療や抜歯が必要なケースなど、幅広い症例に対応可能です。
治療期間は約2年～3年と長めですが、追加のマウスピースの作製も、保証期間内であれば何度でも可能です。
歯並び全体の改善を目指す方に適しています。

インビザライン・ライトは、軽度から中等度の歯列不正に対応したプランです。
使用できるマウスピースは片顎最大14枚までで、治療期間は約4ヵ月～7ヵ月と比較的短かい期間で矯正を終えることが可能です。
前歯の軽い乱れや、過去の矯正後の後戻りなど、部分的な矯正を希望する方におすすめです。

インビザライン・ファーストは、6歳から10歳の混合歯列期のお子様を対象としたプランです。
顎の成長を促進する治療と併用されることが多く、インビザラインは永久歯が正しい位置に綺麗に生え揃うためのスペースに歯を並べる役割を果たします。
治療期間はおよそ18ヵ月です。
マウスピースには装着時間を確認できるインジケーターが搭載されており、適切な装着時間の管理が可能です。
成長期の早い段階から歯並びを整えるための治療を行うことで、将来的に大がかりな矯正治療の必要性を減らすことが期待できます。

iTeroとは、インビザラインを提供する「アライン・テクノロジー社」が開発した口腔内スキャナーです。
マウスピース矯正には、歯の形・歯並びの状態を正確に採取することが必要で、このiTeroはより正確かつ緻密に歯型を取ることが可能です。
iTeroを使用することで、次のようなメリットがあげられます。

精度の高く口腔内のスキャンが可能

iTeroは、最新のデジタルスキャン技術を採用しています。
口腔内に照射するだけで、瞬時に歯の形・歯並びの正確なデータを得ることができます。
また、瞬時にデータを得られることでリアルタイムで簡易的なシミュレーションも可能とします。
従来の口腔内の印象取りに比べると、採取の時間、そして患者様へ歯の移動のイメージ共有が圧倒的に早く行えます。

矯正治療を早く始められる

従来の方法ですと、型どりからマウスピースの受け渡しまで、約3週間ほどかかってしまいます。
iTeroを使用した場合、採取した情報をオンラインでデータ共有が可能となるため、1週間～10日ほどで治療を始められます。

アタッチメントとは、歯の表面に装着する小さな突起のようなものです。
これはマウスピースが歯をより正確に動かすための補助装置で、歯科用樹脂で作られています。
アタッチメントを適切な位置に装着することで、通常のインビザライン矯正よりも効率的に歯を移動させることが可能になります。
また、回転しにくい歯や動きにくい歯を確実に移動させる役割も果たします。
見た目も歯の色に馴染むため、ほとんど目立ちません。
アタッチメントを装着することで、矯正期間の短縮ができ、調整がスムーズに進められます。

PBMヒーリングオルソは、近赤外線光を照射し歯の動きを加速させる最先端の技術です。
通常のインビザライン矯正では、1週間から10日の頻度でマウスピース（アライナー）を取り替えますが、PBMヒーリングオルソを使用した場合、最短3日でマウスピースを交換することが可能となります。
また、近赤外線光には歯周組織を活性化させ炎症を抑制させる効果もあるため、矯正に伴う歯の移動による痛みを軽減する効果も認められています。
使い方もとてもシンプルで、ご自宅でマウスピースを装着した状態で片顎4分間を目安に装着するだけでOKです。
インビザライン矯正を少しでも早く完了させたい方や、矯正中の違和感を軽減したい方に非常にオススメです。

インビザライン矯正の「プロバイダー」とは、年間の治療症例数に基づいて歯科医師やクリニックに与えられるステータスのことです。
この制度は、インビザライン治療の経験や実績を示す指標として、患者様が歯科医院を選ぶ際の参考になります。
プロバイダーのランクは年間症例数に応じて9段階に分類され、以下の通りです。

ブロンズプロバイダー
年間1～10症例

シルバープロバイダー
年間11～20症例

ゴールドプロバイダー
年間21～50症例

プラチナプロバイダー
年間51～100症例

プラチナエリートプロバイダー
年間101～150症例

ダイヤモンドプロバイダー
年間151～400症例

ブラックダイヤモンドプロバイダー
年間401～750症例

ブルーダイヤモンドプロバイダー
年間751～1000症例

レッドダイヤモンドプロバイダー
年間1001症例以上

上の前歯や上顎全体が通常よりも前に突出している状態。出っ歯とも言われる。

上顎前突の特徴

・口が閉じにくい
・発音がしづらい

上顎前突による影響

・審美性の低下
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

上顎前突の原因

・遺伝
・幼少期の指しゃぶり
・幼少期の舌の癖
・口呼吸
・下顎の成長不足

下の前歯や下顎全体が上の前歯よりも前に突出している状態。上下の噛み合わせが逆になっている。受け口とも言われる。

下顎前突の特徴

・しゃくれたような見た目
・口が閉じにくい
・発音がしづらい

下顎前突による影響

・咀嚼がしづらい
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

下顎前突の原因

・遺伝
・幼少期の舌の癖
・下顎の過成長
・上顎の成長不足
・乳歯の生え変わりの影響

歯が重なり合いガタガタした状態。犬歯が外側に飛び出た状態の八重歯。歯がねじれた見た目の乱杭歯（らんぐいば）。

叢生の特徴

・犬歯が外側に出ている
・歯がねじれたような見た目
・発音がしづらい

叢生による影響

・清掃不良による虫歯や歯周病のリスク
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

叢生の原因

・遺伝
・顎と歯の大きさの不調和
・乳歯期の歯の喪失
・乳歯の生え変わりによる影響
・幼少期の指しゃぶり
・幼少期の舌の癖

歯と歯の間に隙間がある状態。すきっ歯とも言われる。

空隙歯列の特徴

・歯の中央の隙間が目立つ
・発音がしづらい

空隙歯列による影響

・食べ物が挟まりやすい
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

空隙歯列の原因

・顎と歯の大きさの不調和
・幼少期の舌の癖
・生まれつき歯の本数が多い
・生まれつき歯の本数が少ない

奥歯を噛み合わせた時に前歯が閉じない状態。オープンバイトとも言われる。

開咬の特徴

・前歯が閉じずに隙間ができる（前歯部開咬）
・奥歯が噛み合わず隙間ができる（臼歯部開咬）

開咬による影響

・食べ物が噛み切りづらい
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

開咬の原因

・遺伝
・幼少期の指しゃぶり
・口呼吸

上の前歯が下の前歯を覆い隠すほど深く噛み込んでいる状態。

過蓋咬合の特徴

・噛み合わせ時に下の前歯がほぼ見えない
・下の前歯が上の歯茎にあたる

過蓋咬合による影響

・食べ物が噛み切りづらい
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

過蓋咬合の原因

・遺伝
・奥歯の高さが低い
・頬杖
・乳歯の生え変わりによる影響

噛み合わせた時に歯が左右にずれている状態。

交叉咬合の特徴

・上の前歯が下の前歯の内側に入る
・奥歯が横にずれて噛み合っている

交叉咬合による影響

・顔の左右バランスの崩れ
・歯の摩耗や破損のリスク
・噛み合わせ不良による顎関節症の誘発

交叉咬合の原因

・遺伝
・幼少期の指しゃぶり
・乳歯の生え変わりによる影響

インビザラインは、1日20時間～22時間以上の装着が必要とされています。
装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう可能性があります。
食事や歯磨きの際は取り外せますが、それ以外の時間は必ず装着し、矯正の効果を最大限に引き出しましょう。
特に就寝中の装着は重要です。

マウスピースは毎日丁寧に洗浄し、清潔に保つことが大切です。
基本的には流水で優しく洗い、必要に応じて食器洗い用洗剤を使い、汚れや細菌の繁殖を防ぎましょう。
また、歯磨きを怠ると虫歯や歯周病のリスクが高まるため、食後は必ず歯を磨いてから装着してください。
マウスピースの劣化や臭いを防ぐためにも、正しいお手入れを心がけましょう。

インビザライン矯正が完了した後、歯並びを維持するために保定期間が必要になります。
矯正で移動した歯はすぐに安定するわけではなく、元の位置に戻ろうとする力（後戻り）が働くため、リテーナーを使用しながら歯の位置を固定する必要があります。
保定期間の目安は一般的に矯正期間と同程度必要とされていますが、個人の歯の状態によってはそれ以上の期間が必要な場合もあります。
この保定期間をしっかり守ることで、矯正後の歯並びを長く維持することができます。
装着を怠ると後戻りが起こり、再治療が必要になることもあるため、歯科医師の指示に従ってしっかり保定期間を過ごしましょう。